チャプター 81

ガブリエルの唇が私の唇を押し潰すように重なった瞬間、意識がふっと澄んだ。

騙されたのだ。マーシャがくれた薬は、砂糖なんかじゃなかった……。

それでも、その冴えは一瞬で、私はまたガブリエルと一緒に霞の中へ沈んでいった。

「エンバー……」ガブリエルは掠れた声で、私の名を呼んだ。

こんなふうに彼が私に情熱を向けたことは、今まで一度もない。たまに酔ったときでさえ、からかったり、屈辱を与えたりするだけで――こんなのでは決してなかった。

月光がカーテン越しに差し込み、ガブリエルの横顔を淡く縁取っていた。この端正な男を見つめていると、不意に、永遠に手元に置いておきたいと思ってしまう瞬間があった。

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